Wanderer -restart-

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2012年01月

接 近

あの文房具店あたりで
君を追い越すのが
毎朝の僕の日課

一人で通学している君は
ちっとも目立たないけど
とても気になる存在なのさ

でもクラスが違うから
名前も趣味も
何も分らないことだらけ

君を抜かす瞬間
1mまで近づけるのは
話しかけることのできる
絶好のチャンスなんだけど
挨拶はおろか
振り返って微笑むこともできず
今日もまた
力なく校門にたどり着く

あともう少しだけ
自分に勇気があれば
こんなじれったい思いは
しなくて済むのにな

僕の思いなど
君は知らないだろうけど
何とか間に合わせなきゃ

迫りつつある卒業式……

この日を
ため息で終わらせないためにも

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When I’m 64

僕らはこれから
どうなっていくかな

いいことばかりじゃ
ないだろうけど
たとえ谷底へ落っこちても
がむしゃらによじ登るだけ

たとえ暗闇をさまよっても
明かりを探し続けるだけ

せっかくつながった
この手を離さないために……

息切れしたり
転んだり
無様なところも
見られてしまうだろうけど
いつも最後には
頼られる存在でなきゃね

昔の歌にあったように
僕が64歳になっても
君には必要とされていたい

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行 列

人々が
背中の後ろに列を成す

ある種の人々は
誘惑に駆られ
ある種の人々は
洗脳に冒され
またある種の人々は
信仰に依って……

ハーメルンの笛吹きに
どうして子ども達は
おとなしく付いて行ったんだろう

そんなことまで考えながら
寒さをこらえて
自分も行列に並び続ける

かなりの絶品らしいのさ
ここのうどんは

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背 離

デートの度にいつも歩く
にぎやかな商店街

寄り添いあって
真ん中を歩いていたのに

近づいても近づいても
まるで磁石が反発するように
君が隅へ流れていくから

気づけば僕らは
最近いつも端っこだね……

アーケードを這う風が
二人の隙間を冷たく
切なく通り抜けていき

僕のこぶしは
ポケットの中で温まるだけ

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平 穏

この階段の先には
暖かな光が待っている

この階段を抜ければ
鮮やかな世界が広がっている

でも上るのは
またの機会にしよう

疲れてるし
ここはここで平穏な場所

暗くて寒い地下だけど
雨も嵐もしのげるから

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