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「ねぇ、そろそろやって来るわね」「ええっ! もう1ヵ月?」「もー、何言ってるのよケーキでも買って食べましょ」そういえば初めてデートした日が間近に迫ってるな一年の中のごくありふれた日でもう何年も前のことなのに大切な記念日として君は忘れずにいてくれて本当にありがとう嬉しさで胸がいっぱいだよ「久しぶりに信託銀行の暗証番号入れたらちょうど十日後じゃない!あはは、ビックリしちゃった」あ、なるほど……
気づいてほしくて君の前を行ったり来たりなのに君は素知らぬ顔でずっと遠くを眺めてるこの思いを強くキャッチしてほしいのにいつになったら振り向いてくれるんだろうそもそも君のアンテナとは波長が合わないのかな
北風のバス停で隣り合わせた君何年か振りなのに魅力的なままだからすぐに分かったよでも君は全く気づいてくれないねこの顔中を覆うマスクのせいかいや君と釣り合うオーラが無いからだな相変わらず僕には……
トボトボ歩く真冬の夜道ヘッドライトに照らされる白いため息を君は笑って見つめてる「何をそんなに落ち込んでるんだい」いや……あんたに話すほどのことじゃない「そうか、ま明日からまた頑張んな」そう見下ろしながら相変わらず笑い続ける君……そうだせっかくだから一枚写真いいかな?「構わないけど三日月なんか撮って何が面白いんだい?」癒されて元気になれそうなのさそのバナナみたいなスマイルに
新しい洋服新しいアクセサリーに新しいサイフ 君がはしゃぐように新品って基本的にはとても嬉しいものだけど僕にとってはブルーな時もあってね 新しいシワ新しい白髪に新しいオヤジギャグ…… でも仕方ないよな新しい年を重ねたその副産物なんだから こんな苦笑いの僕だけどどうか引き続きよろしく また一年間君には新しい笑顔をいっぱい咲かせるからさ
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