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目を覚ますと自動的に食事が準備されているそんなテレビを見たのはいつのことだろうもしかしたら映画だったのかいずれにしてもずいぶん前の記憶なのにいまだに手作業だしこんな夢のような話は実現には程遠いってことかな……なんてことを考えながら家族の期待を背中に受けて今日も食事を準備するただあえて言うならたとえ機械化されたとしても私には敵わないと思うよだってスパイスが入っていないからねたっぷり時間を掛けた「はい、お待ちどうさま」という名の最高の隠し味が
通じ合わないから終わりにしよう通じ合えないからサヨナラしようがんばってきたよ何とか理解するようずっとキミを見てきたなのにキミはとうとう完全にブロックしてしまっただからこれでおしまいもう何もないこっちからもキミを拒絶し始めているし……ただむなしいのは通じ合えていた過ぎ去りしあの日々だけど思い返せばそれもただのカン違いだったのかもね
葉桜を見上げながら肌に感じる春芝生の柔らかさせせらぎの静けさ雲のなめらかさ鳥たちの歓声麗らかな陽に撫でられた花も日ごとに姿を変えていくそしてもう一つの春の風物詩はいくら電話を鳴らしても全く目を覚まさない君
シュッ……ビュッ……週末の試合をにらんで僕はバットを振るあいつの速球をイメージして風を切り刻むどうしても勝ちたいいやそれ以上に大きな一発を放ちたい観戦に来てくれる君の誕生日を祝うのさ僕の豪快なホームランでその一心だけでバットを振り続ける「暑そうね」「えっ!? 見てたんだ」「かっこいいわよ」えへへ、照れるな……「そのカラ振り姿」……素振りだよ
あの時に戻ってやり直せないだろうかあの場所に戻ってやり直せればいいのになそれさえできたら今の毎日はずっと快調に進んでるはずだけどいくら嘆いてもそれは無理なことだから自力で明日を変えてみるよひたすら頑張るだけ何よりあの頃に戻ったらまた一からやり直さなきゃならないからキミへのアプローチも受験勉強も
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